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月刊きょうされんTOMO【2018年1月号】☆新春インタビュー:北澤豪さん

障害福祉サービスの人員、設備・運営基準に関する省令改訂に対する意見

 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令案(概要)について」、1月10日(水)に意見を提出しました。


                                 2018年1月10日
    障害福祉サービスの人員、設備・運営基準に関する省令改訂に対する意見
                     
きょうされん 理事長 西村直 

1.総括的な意見

 厚生労働省の報酬改定検討チームは、5月~12月までに、47団体のヒアリングを含めて16回開催された。しかし、本格的な報酬内容の検討は9月の第8回からであり、共生型サービスと就労系支援は2回検討されたが、その他の課題は1回の検討に留まった。また12月7日に提案された「報酬改定の基本方向(案)」の内容のほとんどが、9月以降の検討チームの資料で提案された「○○してはどうか」という「論点」の文末が、「○○とする」に変更されただけである。まして翌日の8日には(案)が外され、検討チームとしての「取りまとめ」として公表したのは、きわめて拙速な対応である。以上の検討経過の問題点を踏まえて、以下の意見を述べる。

2.個別項目についての意見
(1)指定就労定着支援について
 障害のある人の一般就労への定着を支えることは、とても重要なことである。しかし、この間の「もうけ本位」で就労支援制度を悪用し、多くの障害のある人を大量解雇した問題は、事業者にも問題があるが制度に欠陥がある。そもそも障害に伴うさまざまな障壁を取り除き、労働参加を福祉と一体的に保障する原則と合理的配慮の制度が確立していないなかで、事業者の参入を広げた現行法の不備・欠陥に問題がある。したがって、現行法・制度の延長線上で、既存の障害福祉事業所の付帯事業のような「就労定着支援」の制度化には限界がある。
 まして、支援期間は「最大3年間」とされ、その後は就業・生活支援センターにつなげるとしているが、いま着手すべきは就業・生活支援センターの拡充である。2017年9月現在の就業・生活支援センターは、全国に332ヵ所しかなく、人口68万人の島根県に7ヵ所ありながら、1,374万人口の東京が6ヵ所しかなく、もっとも多いのが大阪の18ヵ所と、きわめてアンバランスな現状にある。まずは就業・生活支援センターの増設と制度の水準を引き上げることが肝心である。
(2)指定自立生活援助支援について
 地域生活を支える体制と仕組みが不十分なもとで、期限付きの地域生活移行支援は困難である。具体的には家事援助・身体介護などの居宅介護事業は、障害支援区分で対象と時間数が制約されてしまう。移動支援事業は地域生活支援事業に位置付けられ、市町村の格差が大きい。こうした地域での暮らしを支える制度と資源の現状では、新たな生活困難を生み出す要因になってしまう。むしろ生活体験の機会や場を保障し、それを支える仕組みが求められる。
(3)日中サービス支援型指定共同生活援助について
 この事業は、「重度対応型共同生活援助の新設」に応じた提案と思われるが、そもそも重度者支援として期待される機能は、手厚い夜間支援体制や休暇時支援の確保、医療・看護体制の充実などである。けれども今回提案された「日中サービス支援型」では、「地域での家庭的な暮らし」を保障するグループホームの生命線とも言うべき「小規模」「職住分離」の基本が大きく崩れている。さらに「重度対応型」で最も重要である職員配置基準も、夜間支援体制の充実や看護職員の常勤配置、行動障害の人に対応する職員配置の充実などが一言も触れられていない。定員規模を大きくすることは、職員体制の改善策ではない。今回の提案は、地域での家庭的な暮らしを保障するグループホームではなく、「小規模入所施設」といえるような内容であり、とうてい障害のある人と家族が望んでいる「重度対応型グループホーム」とは異なる。
(4)共生型サービスについて
 各種の共生型サービスについては、「各基準該当サービスに倣った基準を設ける」とされているが、前述の「もうけ本位」のみの目的による事業者の参入を助長・拡大してしまうことは明白である。報酬改定検討チームで示された資料では、基準該当サービス事業者の指定を受けても、共生型サービスの場合、都道府県の指定事業者との報酬格差を補うとしていることからも、そうした危惧は拭えない。
(5)指定計画相談支援について
 報酬改定の「基本方向」では、「相談支援専門員が1月に実施するサービス利用支援等の標準件数を設定する」とあり、省令案ではそれを35人と提案している。そもそも障害支援区分の判定で支援の種別と量が確定してしまう現行制度のもとでのサービス等利用計画は、障害のある人の人生や生活の支援計画として相応しい内容といえない。そうした中で、標準件数のみを定めることは、現場で生じている、さまざまな問題の解決策になり得ない。また短期入所の利用日数を計画相談の段階で絞り込む提案には、反対である。

障害福祉サービスの人員、設備・運営基準に関する省令改定に対する意見(pdf)

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